主な特長

• 高剛性、低歪みを実現するHP振動板 
HPとはHyperbolic Paraboloid の略で、通称HP Shell(双曲放物曲面)と呼ばれている３次曲面構造です。HP構造は、曲面でありながら従来の曲線で構成されている振動板と異なり、基本的に直線構造で構成されています。このため、面内応力としてせん断力のみが存在し、曲げ応力が働かないため、高い強度が得られます。この高い強度により、振動板の共振周波数が高くなり、従来の振動板に比べてスピード感のある立ち上がりの早い音質が得られ、バックロードホーン用スピーカユニットに適した構造であるといえます。
さらに、この直線は異なる長さで構成されているために、特定の定在波が振動板上に立たないので、ピークが発生せずスムースなレスポンスが得られます。 

• 高い透明感ときめ細かさを持つESコーン 
ESコーンの原料となる植物は芭蕉の仲間に属する多年生植物です。この繊維の特長として、繊維に澱粉質を含み、この澱粉質が繊維同士の結着を強固にし、従来のパルプにあった繊維同士の擦れによる雑音（紙臭さ）が極めて少なくなる点があります。ESコーンは細くしなやかな繊維がよく絡み合った、密度の高いコーン紙となっています。このため非常にロスの少ない振動板となり、HP振動板形状を採用することにより高い剛性と低歪みを実現し、情報量が飛躍的に増大しました。EΣシリーズは中高音域において伸びやかできめの細かい音質でありながら、高剛性振動板により、バックロードホーンにより適したユニットとして生まれました。 

• 優れた振幅応答性を持つUDRタンジェンシャルエッジ/ダンパー 
EΣシリーズの、エッジ/ダンパーにはESシリーズで好評のUDRタンジェンシャルエッジ/ダンパーを採用しています。このエッジ/ダンパーは構造上強度が高く、共振が高い周波数に移動して分散するため、ロールエッジと大きく異なり特定の大きなピークが発生しません。このため、周波数特性にピークやディップが発生しにくく、HP方式振動板と同様にスムースな特性が得られます。また、振幅が対称で大振幅時に徐々に動きをセーブするソフトクリップタイプの理想的サスペンション特性により大音量時でクリップする事なく、小音量から大音量時までリニアに応答するスピード感溢れる再生を実現します。EΣシリーズは、ESシリーズのテクノロジーを引き継ぎ、振動板からエッジに至るまで徹底した歪み排除の思想は、EΣシリーズにも引き継がれています。 

• φ120mmの大型フェライト磁気回路 
φ120mmの大型フェライトマグネットを使用した強力磁気回路を採用し、高耐入力ボイスコイルとともに、口径を意識させないダイナミックレンジの広い再生を実現しました。 

•バックロードホーンに最適のフルレンジ 
FE168EΣは、バックロードホーンの使用を前提に使いやすい、Qo/moを設定しています。バックロードホーンならではのダイナミックレンジの広い、スピード感溢れる再生音が最新のスピーカーテクノロジーにより、さらに向上しております。

主な仕様

周波数特性図

外形寸法図